散歩道<5094>
インタビユ・オピニオン・ リベラルは消えたのか
子育ても長寿も、安全保障もやれ(3) (1)〜(3)続く
・・・・かっては保守、リベラルを軸にした二大政党制に、という主張もありました。結局、日本にリベラルは根付かないのでしょうか。
「リベラルという政治的立場は近年、社会保障を重視し、財政出動によって所得の再分配を行う改革派で大きな政府の立場です。内政上の定義なんです。内政ではリベラルでありながら、安全保障や主権の問題はビシッとやる政治家が欧米には普通います。残念ながら今の日本では勇ましいタカ派と、ひ弱なリベラルに二極化する傾向が強い。明治維新をなし遂げた大久保利通*1が持っていたような、国内改革の透徹したビジョンと外交手腕をあわせ持つ人は少ない」
「でも、今や日本は超高齢化社会。改革が必要な分野はたくさんあります。万事が個人の自由選択と考え、福祉を削り、小さな政府を求める新自由主義だけが、世論の強い支持を受け続けるとは思えません。大多数の国民が子育ても長寿も、この社会でやっていけるよう求めるリベラルな勢力が必ずまた、前面に出てくるはずです」
・・・・歴史を振り返って、今回の選挙をどう位置づけますか。
「満州事変を関東軍が起こしたとき、国民世論はドッと支持しました。社会が行き詰まり、もう耐えられないとなったとき、新しいものなら何にでも飛びついてしまう傾向が日本にはある。ジリ貧を逃れてドカ貧に跳躍する病気です。いま国民は既存政党にうんざりしている。でも、新鮮だというだけで飛びつくのは危ない。威勢のいい無責任な言葉が結局、国益をどれほど傷つけたか。尖閣列島がいい例です」
「ただ、政党政治そのものを捨てた当時の国民と今は違います。世論受けではなく、国民益の実現を考える政治家を選び、その政治家が正当を立て直すことに期待したいものです」
'12.11.27.朝日新聞・前防衛大学校長・五百旗頭真さん
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