散歩道<5091>

                          インタビユ・オピニオン・ リベラルは消えたのか

                          現実を踏まえた「新しい時代の左」へ(3)                        (1)〜(3)続く

・・・日本では左の政党連合はできませんでした。
  「戦後革新勢力が時代に対応しそこねたことが最大の原因です。率直に言って、共産党と旧・社会党の罪は大きかった。体制転換という建前上の目標を掲げて『いつか。ある晴れた日に何かが起きる』までは野党に徹するだけ。共産党は一時期、『確かな野党』とまで言ってましたね。野党第1党だった社会党も改憲を阻止できればそれでよしとする。どちらも政権交代を全く意識していなかった。政権について現実的にできることを積み上げていく発想がなかった・
  「社民党や共産党は、民主党と共倒れになる小選挙区が都市部を中心にかなりあるのに、候補を立てて自民党を利することを平気でやる。小選挙区制の活用の仕方はイタリアの実験が見せてくれているわけです。『民主主義ゲーム』のルールに乗らなければ、政治にかかわらないのと同じ。そんな調子だから見捨てられるのです」
・・・・そのことと民主党の失敗は関係ないのではないですか。
  「旧・社会党と共産党には、よい人材もいたんですよ。もし自己改革して、二大勢力の一角を担うことを目指していれば、もっとまともな民主党が生まれた可能性があると思います。社会・共産両党が政治的遺産を残さないままで、がれきの上に寄せ集めて民主党は作られました。もろいのは必然でしょう」
・・・リベラル、いや、おっしゃるところの「左」は再生できますか。 
  「小党分立の状況ですが、無理に合流して急ごしらえの党を作る必要はありません。また、英米のような二大政党制はすぐには難しい。必要なのは自民党に対抗できる『政党連合』の戦略なのです。イタリア共産党から分かれた原理派の共産主義再建党でさえ、ベルルスコーニ氏を倒すためならと中道左派連合の候補者統一に協力したのですから」
  「『選挙後』の政界再編など国民の政権選択権の否定です。『選挙前』に政権選択肢を用意すること。4年間限定でいいんです。それが自民党に対抗する勢力の責任であり、生き残りの道です。これは、無理に合流しようと混迷する第三極の諸派に対しても言いたいことです」

'12.11.27.朝日新聞・名古屋大学教授・後 房雄さん

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