散歩道<5078>
     
                         インタビユ・オピニオン・ Gゼロの世界                
                    日米欧手いっぱい役割担わぬ新興国 リーダーがいない(3)               (1)〜(5)続く

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・・・日本が今後とるべき方策は。
  「少し前に、世界には二つの異なる資本主義があると書きました。一つは米国や欧州、日本などの自由な市場経済にもとずく資本主義です。もう一つは中国、ロシアなどの資本主義。国営企業を使って市場を支配し、国家に富を吸収して政治体制を維持するシステムです。私は国家資本主義と呼んでいます」
  「日本と米国は価値観を共有しています。ともに民主主義国であり経済のシステムも共通している。日本が成すべきは、自由市場経済を守ろうという志を共有する国々と経済統合を進めることです。答えははっきりしているでしょう。TPP(環太平洋経済連携協定)に加わるべきです。日本政府がどこまでやる気があるのか、私はまだわかりませんが。単独での国防や外交は得意ではないですよね」
・・・・日本の多くの人たちは、TPPへの参加と中国に備えることが同じだとは思っていないのでは。
  「それは分かります。農業への懸念が大きいことも。私が日本の首相だとしましょう。日本人の未来に、10年後20年後の子ども達、孫たちに責任がある。もっとも大きな課題は経済を保障することです。日本は自分から手をあげ、価値観を共有する国々と協働していくべきです」
  「中国が米国を抜いて世界経済のナンバーワンになったとしても、国益の最大化を目指す国家資本主義である以上、他国とのオープンな関係は広がり難い。国家資本主義は集まって大きな勢力にはなれないのです。効率的ではありません。一方、自由市場経済は(多くの国と)協力して行くことができる。TPPに日本が入れば、世界の国内総
生産(GDP)の約4割です。さらに大西洋をはさんでEU
(欧州連合)とも連携すれば、世界経済の大半を共有することになるのですから」

12.10.20 朝日新聞・ユーラシア・グループ社長、政治学者・イアン・ブレマーさん

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