散歩道<5077> 
    
                         インタビユ・オピニオン・ Gゼロの世界                
                    日米欧手いっぱい役割担わぬ新興国 リーダーがいない(2)               (1)〜(5)続く

・・・ブレマーさんのいうGゼロの世界ということでしょうか。
  「Gゼロが生みだす問題は、とりわけアジア中東で顕著に現れています。シリアの内戦状態がそうですし、日中対立もその一つです」
  「Gゼロとは、国際社会の運転席に誰もいない状態です。なぜリーダーシップのない世界が生まれたのか。四つの要因があります。一つは重要な国が増えすぎたこと。G20が典型です。これでは意見がまとまりません。二つ目は、新興国の価値観が従来リーダーシップをとってきた西側諸国と異なること。政治や経済のシステムが異なるうえ、温暖化対策など地球規模の問題に指導力を発揮する意志も能力もない。三つ目、日本も欧州も自分の問題で手いっぱいです。そして四つめは米国。かってのようなコストとリスクが高くつく、世界の警察官にはもうなりたくないと思っている」
  「この四つが重なってGゼロを生み、Gゼロゆえに解決できない。もっと悪くなるかもしれません」
・・・・Gゼロは結果ですか、それとも原因ですか。
  「うーん。少々複雑です。もし2008年の金融危機、つまりリーマン・ショックが起きていなければ、そして米国がまだ世界の超大国なら、中国は今のような態度を日本にとらなかったでしょう。しかし世界がGゼロになったゆえに、現在の日中の深刻な状態があるといえます。一方、中国の台頭がなければ、Gゼロは生まれてこなかったでしょう」
  「世界はリーマン・ショックを機に大きく変わりました。日本はこの危機を自分たちで乗り越えましたね。大震災や原発事故も自力で打開できるでしよう。でも、今回の中国との対立は独力では解決できません。日本人も日本企業もそのことは分かっていると思います。


12.10.20 朝日新聞・ユーラシア・グループ社長、政治学者・イアン・ブレマーさん

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