散歩道<5072>
インタビユ・オピニオン・ リーダー要りますか・(2) (1)〜(5)続く
待望論は敗北主義 日本を飛び出し 自分たちで変えろ
・・・簡単だから
「誰か立派な人が現れて、任せてしまえば簡単でしょ。情報を集めたり判断しなくていい。ついていけばいいわけですから」
「僕は学生たちに、素晴らしいリーダーがでてきたらうまくいくなどと考えてはいけない、といっています。ない物はいくらねだってもないんだから、変えるためには自分たちで立ち上がろうよ、と」
・・・・自分たちで、ですか。
「たとえば最近の『アラブの春』です。チェニジア、リビア、エジプトと、北アフリカで独裁国家が次々と倒れました。反体制の明示的なリーダーが人々を引っ張っていった、というわけではなかった。『これはおかしい』という一人一人の市民の声がツイッターやフェイスブックを通じて集まり、大きなうねるりになって、国家体制を変えたわけです」
・・・・国家が倒れる大改革でさえ、強いリーダーは必要なかったと。
「そうです・ただ、反論した学生がいました。壊すのに強いリーダーはいらなくても、新しい社会をつくるのに必要ではないですか、と。で、僕は考えた」
「この東京を見て下さい。はっきり言って街づくりはっめちゃくちゃです。基盤の目のようなニューヨークや、区画整理されたパリとは全然違う。でもドイツから来た留学生が感動するんです。超近代的な六本木ヒルズのすぐそばにあばら家がある。来るたびに変化している。すごいダイナリズムだ、と」
「日本の都市は規制が強くないから、誰かがグランドデザインを描いてここの地域はそれに合わせろというのではなく、それぞれが独自にやっている。それでいて全体として調和しているこれを複雑系では『創発』と呼びます。機能しているのは、プロフェッショナルたちが、できる範囲のことをきちんとやっているからです。
チェニジアや東京を見て思うのは、21世紀の進め方、決め方はこれだなということですね。僕らは必要なのはカリスマリーダーではなく、プロフェッショナルです」
'12.10.17 朝日新聞・一橋大イノベーション研究センター教授・米倉 誠一郎さん
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