散歩道<5059>
耕論・転職を望まない若者(2)
「ブレる生き方」今はあり(2) (1)〜(2)続く
就職でいえば、どういう理由でその会社に入ったか明確に決めておく。その理由が変われば続ける意味がなくなるから、転職すると考えておくのです。
例えば僕は、最初の東大助手の仕事をしました。日本は純粋な資本主義社会じゃなく、ビジネスを合理的にできないから、研究の世界に魅力を感じた。
けれど、1990年代半ばにインターネットによって電子商取引が普及し、ビジネスの世界で合理的な競争環境が整った。前提が変わったから結論を変えて、米コンサルタント会社のマッキンゼイに入社しました。結果としては、3年間で多くのことを学べて正解でした。
これから就職活動をするごく平均的な大学生にアドバイスするとすれば、みんなが知らないマイナー業界の、BtoB(企業間取引)に強い会社を狙ってください、ということです。
例えば宇都宮市に本社を構える医療機器メーカーのマニー。縫合針から始まり、医療に特化して世界のトップシェアの商品を作っています。また、一つの業界を横断的に見られる「見晴らしの良い会社」もお勧めです。例えば素材メーカーなら、ある素材を一つの業界の様々な会社に配っている。そこに居れば、どこの会社が強いのか分かり、独立や転職する時に役立ちます。
間違っても、企業理念が素晴らしいという理由だけで選んではいけません。企業理念に頼るのは商品、サービスで他社と差別化できていないだけですから。
'12.6.12.朝日新聞・京都大客員准教授・瀧本 哲史さん
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