散歩道<5058>

                               耕論・転職を望まない若者(2)          
                                「ブレる生き方」今はあり(1)                  (1)〜(2)続く

 若手に強まる終身雇用願望は、ないものねだりでしょうね。今、企業の寿命は30〜40年と言われています。定年で辞めるまで会社が存続している確率は以外に低い。専業主婦になりたいのに経済的に無理なことから、若い女性の間で主婦が「あこがれ」になっているのと同じ構図です。
 また、昨年から今年にかけて割合が急上昇しているのは、電機メーカーなどのリストラ報道の影響が大きい。学生達は、せっかく厳しい就職活動を終えて入社しても、クビになると危機感を持った。そのため、入った企業では生き残れるのが得と考えるようになったのです。
 けれども、私は京大で教えている学生は、決して安定志向ではありません。高学歴は、それ自体がセーフティネットになっているからでしょう。フェイブックに押されて厳しいと言われている、国内交流サイト大手のミクシィに飛び込む。逆転を目指してしばらく仕事をして、ダメだったら他へ転職しようと割り切れるのです。
 20万部を超した著書「武器としての決断思考」で、「『ブレル生き方』を目指そう」と書きました。右肩上がりの安定した時代と違い、今は普通の会社員ですら状況に応じて行動を変える必要があるからです。

'12.6.12.朝日新聞・京都大客員准教授・瀧本 哲史さん

関連記事:散歩道<検>教育・若者、<検>企業、<検>仕事力、<200>素晴らしい企業・備考の欄参照のこと、<4955>
経気台・お化けする駐在員、