散歩道<5049>
グルーグマン・コラム 失業問題
「構造的」と逃げず需要増を(2) (1)〜(4)続く
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構造的な失業問題を抱えているというのはどういう意味だろうか?
通常の解釈では、米国の労働者は間違った産業や間違ったスキルに固執しているとされる。広く引用されるシカゴ大学のラグラム・ラジャン教授による最新の論文は、問題は「肥大化した」住宅・金融・政府部門から労働者を移す必要があることだと断言している。
実際には人口あたりの政府雇用は何十年もの間、ほぼ横ばいで推移してきた。だが、それはどうでもいい。肝心な点は、こうした筋書きが示すことは裏腹に、危機が始まって以降の雇用の喪失が、バブル期に大きくなりすぎたともいえる産業で主に起きているわけではないということだ。それどころか、1930年代と同様、米国経済はほぼすべての部門で一律雇用を奪った。また、多くの労働者が間違ったスキルを身につけたり、間違った場所で働いたりしていることが問題であるならば、正しいスキルを持ち、正しい場所で働く労働者は賃金の大幅な上昇が期待できるだろう。だが、その実、労働者の中に勝者はほとんど見当たらない。
これはどれも、私たちを苦しめているのが、何らかの構造的変化の変わり目に生じる問題ではなく、全体的に十分な需要が不足していることだということを強く示している。このような需要不足は、支出を増やすことを目的とした政府のプログラムによって早急に解決できるし、そうすべきである。
'12.5.14.朝日新聞・米プリンストン大教授・パウル・クルーグマン
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備考:この散歩道<5049>番は'01.10.1.に文章を書き初めて5.000回目になりました。皆・皆・皆様に感謝いたします。2012年12月5日