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幸せ大国めざして(10)・都市設計・いずこも同じ街の顔 (9)〜(17)続く
高齢者・景観の視点を
日本の地方都市はどこもよく似ている。幹線道路沿いにコンビニやファーストフード、家電量販店など同じ店が並び、駅前には消費者金融や語学学校の看板が目立つ。山形庄内地区では日本のいたる所にある「金太郎あめロード」の1つだ。その中間に大型ショッピングセンターがそびえる。之も全国各地と同じだ。対照的なのが鶴岡、酒田の中心街だ。シャッターが降りた店や、テナント募集の看板が立つ空き地が目立つ。郊外に出現したSCや量販店は、地方に住む人にも大都市並みの店と同水準の品そろえや価格で買い物できる機会を提供してくれた。ただ、地元には大手資本に翻弄(ほんろう)される街の将来を憂う声もある。「それも20年後に残っている保障もない。中心街が疲弊すれば結局何も残らなくなる」。全国各地の高度成長期以降に開発されたニュータウンにも、同じような問題がしのびよる。福島蓬莱ニュータウンにある唯一の小さなscでは半数のテナント用店舗が空いたままだ。市中心部までバスで片道400円以上。60〜70代の高齢者が多く」SCの縮小化は今後、暮らしにくさに直結する。「うまく手を打たなければ5〜10年後には高齢者の生活が孤立しかねない」。需要が新しい商業集積を生み、多くの利用者はその恩恵を受ける。
弱者は孤立へ
ただ、環境変化に順応できない弱者の視点を欠いたまま、市場原理で街が変わっていくのを放置すれば、取り残される人々が出かねない。
景観への配慮
宇治市では観光客の印象以前に思い出とともに慣れ親しんできた景観はまず住民の誇りだ。経済の合理性にだけ任せておいては個性がなくなりどこでもある町になってしまう。日本のこれまでの都市計画は「景観」の視点が抜け落ちがちだった。このため街並みを守ろうとする住民と開発業者の間で紛争が各地で起きた。国は昨年12月景観法を施工し、景観の配慮しない乱開発を抑制する法的な裏付けをようやく整えた。
愛着持てる街
金沢市では「赤地に白字」に代えて、派手さを抑えた「白地に赤字」だ。ガソリンスタンドもドラッグストアも赤やオレンジの派手な色彩を抑えた。松原隆一郎東大教授は「収益や目先の利便等の経済的観点を超えて、地域の個性をどう守り育てるのかという長期的な視点があってこそ本当の都市計画だ」と指摘する。社会的弱者に優しい都市設計、住民が愛着を持てる町の景観・・・・多くの人が長く豊かに実感できる暮らしを作っていくことは未来世代に対する責任でもある。
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