散歩道<5033>
                          
経済気象台(747)医療ツーリズムの国際競争

最近、アジア各国で外国人の顧客を呼んで、診療を行う医療ツーリズムの拠点作りが進んでいる。医療技術が優れ、医療費が安い、タイ、インドシンガポール、マレーシア、さらには整形手術や歯科医療が人気の韓国では、先進国の富裕層も呼び込もうとしている。
 日本でも、2010年6月に閣議決定された新成長戦略で国際医療交流の促進が盛り込まれ、医療滞在ビザの新設が決った。実際、高度先進医療技術を売り物に国内の数箇所で医療ツーリズムの拠点作りの動きがみられる。最新鋭の医療機器を設置し、臨床技術の優れた医師がベストの診療を行うことをうたい文句に中国、ロシア、さらには中近東からも顧客を呼ぼうとしている。
 日本政策投資銀行の試算によると、2020年のわが国の医療ツーリスト受入れは43万人、医療ツーリズムの市場規模は5500億円に上がる見込み。
 このように医療ツーリスト受入れの体制整備が行われているが、一番重要なのは、当然ながら、臨床技術の優れた医師の確保である。残念ながら、日本では、公的健康保健体系のもと、神の手を持つ練達の医師と経験の浅い新人医師の診療に差はなく、臨床技術が評価されていない。
 このため、アジア各国の医療ツーリズム拠点が、正当に評価されていない練達の邦人医師を日本での報酬の数倍の給与でヘッドハントする動きが広がってくることは容易に予測できる。
 その場合アジアは週末を使って日本に帰国できる距離だ。単身赴任が可能なだけに一気に広がる可能性がある。これを少しでも食い止める為、早めに手を打つことが肝要だ

'12.7.26.朝日新聞

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備考:大いにこの日本の医療技術の素晴しさを世界に示すべきと思う。