散歩道<5032>
                            経済気象台(745)・創業と守成,何れが難しい


 創業と守成,何れが難しい?」と唐の太宗が守成の任にあたってきた重臣の魏徴は守成のほうが難しいと言い、創業の仕事をした宰相の房玄齢は創業が難しいと答えた。この問いは今に至るもいまだに新鮮である
 昔、この言葉に出会ったとき、何の疑いもなく創業のほうが
難しいと思ったものだしかしながら、今は
守成のほうが難しいのではないかと考えるようになった。理由ははっきりしていて、平家物語ではないが、「盛者必衰」を信ずるからである
 
企業もまた、その例外ではあり得ない。かって語られた「企業30年説」が多少伸びようが縮まろうが、企業も青年期、壮年期を経て老年期にいたるのは避けることができない。この間、四辺の環境もまた変化する。自らの変容と環境の変化に適切に対処し、事業を守り発展させるのは誠に至難の業である。
 現在、日本経済の活性化*1のために多くの施策が実施され、創業はいとも容易になった。いささかの発想と元気があれば創業者たりうる。問題はその後で、創業から守成への転換がうまくいっていないということである。現に多くの若き挑戦者たちの末路は必ずしも平坦
(へいたん)ではない。シリコンバレー文化の推進者たちが投資に際して最も心を労する点は、創業と守成の明確な分離だった。創業者が必ずしも守成に適した人間ではないという強烈な体験経た結果、彼等が選択したのはCTO(最高技術責任者)とCEO(最高経営責任者)という仕組みであった。
 こう考えてくると、「創業と守成いずれも難しい」としかいいようがない。比較すること自身、あまり意味のあることではないように思われる
'12.7.18.朝日新聞

散歩道<検>企業、<検>*1活性化、<検>時間、<検>世相、<検>経済気象台、<検>社説
備考:技術革新が急激に進むこの時代
には中・長期常にどちらにも目を配っていることが大切である。