散歩道<5025>               

                          経済気象台(738)・成熟社会と日本の雇用

 閉塞感のある経済を活性化するには、いまの日本が成熟社会にあるという現実を見据えた対策が欠かせない。この場合、キーワードとなるのが、女性と雇用ではないか。
 1985年の男女雇用均衡法や、99年の女性の深夜労働解禁が後押しし、多くの職場で女性の進出が目立っている。しかし、結婚や出産で退職せざるを得ない人がいることも確かで、これ以上、この人数を増やさないことが求められる。
 女性の高齢化がすすみ、働く意欲は増している。これを阻んでいるのが、保育制度の不備や勤務時間の制約で、社会的支援が不可欠だ。家計部門(個人消費)が国内総生産に占める割合は約60%.女性の収入が家計部門にもたらす効果は小さくはない。
 又、99年の労働者派遣法の適用業種拡大で、派遣労働の動きが加速した。非正規雇用を常態化させ、「世代内格差」も生みだしている。
 この状況で、成熟社会における雇用環境は厳しさを増す一方だ。企業は新興国とのコスト競争に明け暮れ、労働費を変動費と見る経営が定着してきた。労働費の削減に取り組まざるを得ない状況で、国内の雇用維持は限界に近づいている

 厚生労働省は65歳までの定年延長を唱えているが、相対的に豊かな熟年世代が若年世代に席を譲るべきではないか。それが女性を含めた若労働者の家計所得を押し上げるはずだ。
 成熟社会では消費者の欲望を満たす新商品や、かゆいところに手の届くサービスの提供が、総需要を拡大させる。1400兆円を越える個人金融資産の半分を持つ高齢者らの消費意欲を高めていく商品やサービスのイノベーション(技術革新)を期待したい。
'12.6.19
.朝日新聞

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備考:高齢者は働くことに喜びを感じる人は多い、これ等の人は給与は安くても満足される人が多いようだ。その分若者や働き盛りの女性に仕事を回すべきだと思う。