散歩道<5019>

                         経済気象台(736)エコポイント・ビジネス


 どのような製品でも、需要の増加には限度があり、いづれは衰退する宿命にある。しかも、ブームが一巡したり、新しい代替商品が出現したりすれば、需要はつるべ落としになる。したがって、企業にとっては、あの手この手で潜在需要を掘り起こすマーケティングが永遠の課題となる。
 しかし、知恵を搾り出して需要を開拓するよりは、政治や行政に頼る方が易しい。
 この国の行政もまた、関連予算を獲得でき、かつ天下り先も確保できる為に、既存の業者と一体となって、税金によってそれぞれの業界ごとに需要の拡大を図り続けてきた。
 これは、国民に負担を強いながらの政・官・業の三方一両得である。この結果、官に依存した経済と、借金大国が出来上がったのである。
 最近では、これに飽き足らず、環境ブームに便乗して家電、住宅、自動車業界のために、エコポイント事業という税の官付制度を積極的に推進してきた。特に、家電業界は地デジへの移行と重なって、特需を享受してきた。
 デフレが長引く日本経済の中で、成熟商品の過当競争に苦しんできた家電、自動車、住宅業界は、目先の政策特需で一息ついた。しかし、気が付けば特需など当てにせず、グローバルな需要を追求し続けてきた韓国や中国の同業者に追いこされてしまった。日本メーカーの国内工場は生産縮小や停止に追い込まれて、膨大な赤字を計上するに至っている。
 役所の権限拡大に便乗した特需狙いでは、企業は結局、世界市場から取り残されてしまう。あらゆる分野で天下り組織のみが繁栄するという日本経済衰亡への道をひた
走っているような気がしてならない。12.6.5.朝日新聞

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備考:地域限定的な視野と対策では、グローバル化の中での競争では取り残されてしまうだろう。