散歩道<5018>
経済気象台(735)・合理的な愚者
日本のエレクトロニクス製品が競争力を失った。薄型テレビで日本は一時、世界をリードした。だが、今では韓国、台湾、中語君いキャッチアップされた。技術から価格勝負に比重が移ってきたこともあり、各社のテレビ事業は赤字で、海外企業への身売りや切り売りの話が後を絶たない。
スマートフォンを攻勢する要素、技術において日本メーカーは世界一のレベルを誇っている。その構成部品を見ると、日本メーカーがいなければ製品が完成しないほどだ。それなのに日本でスマホ市場を牽引しているメーカーは1社もない。これはなぜなのだろうか。
この問題に一つの解を与えるのは、一橋大学の延岡健太郎教授が提唱する「意味的価値」という考え方だ。日本メーカーはこの価値観形成において、能力を決定的に欠落させてている。
多くの製品は機能、性能に裏付けられた価値にとどまらず、「家族だんらん」や「ステータス」といった意味論的な価値を有している。同じ機能であってもこれらの価値が大きい製品を顧客は選択肢し、より多くの金を払う。
問題は、なぜ日本企業はこの能力を失っているのか、という点にある。
結論を言えば、優れたエンジニアが製品開発の主導権を握っていることに一つの要因がある。優秀とされるエンジニアは、客観的に計測できる高性能に価値を置く。主観的で不合理にさえ思える意味的価値の理解に逡巡(しゅんじゅん)し、拒否すらする。合理性においては賢者であるが、意味性においては愚者である。このような状況を乗越えなければ、日本企業はいつになっても世界をリードすることは無いだろう。
12.6.1..朝日新聞
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備考:原因が分っているのであれば何もせずに負けtいたのでは話にならない。