散歩道<5013>
経済気象台(730)・景気財政の二律背反
5月6日に行われたフランスとギリシャの選挙は、世界の潮流変化の象徴となった。
仏大統領選では財政緊縮を求めるサルコジ氏が敗北し、景気重視のオランド氏が勝った。
ギリシャでも緊縮財政を進める連立与党が敗北し、景気重視の左派政党が躍進した。景気か財政規律かの振り子が、再び4年前の経済危機当時に戻ろうとしている。
米国も雇用が延び悩むうえ、来年は減税効果などの剥落(はくらく)で景気後退のリスクが大きい。間もなく欧州と同様、景気か財政かの議論が始まりそうだ。
しかし、4年前と今日とでは条件が大きく異なる。リーマン危機直後には無条件で財政、金融両面から対策が打てたが、今日ではいずれの面も心もとない。金融は既に極限まで超緩和策がとられ、財政も余力が回復しないうちに景気の壁にぶつかった。新政権が景気浮揚を請負うのはよいが、減税も公共事業も、持続性がなければ民間需要は追随できない。しかし今日の欧州にはそれだけの余力は無い。さりとて、日本のように痛み止め程度に財政支出を拡大すれば、結局20年たっても景気が回復しないまま、財政赤字が膨らみ続ける。
フランスはオランド政権で時間を稼ぐことができるが、もともと景気と財政規律は二律背反の面がある。両方に効く万能薬は無い。それが判明するとき、欧州の債務危機が再熱する。そのとき当局にはどんな武器が残されているのか。
結局、最後はカネのかからない金融政策に頼りがちだ。だが、リ−マン危機も元をただせば、米国での過度な金融緩和が不動産や証券化バブルを生み出したことにある。人間はまた同じ過ちを繰り返すのだろうか。12.5.12.朝日新聞 '17.10.9.
散歩道<検>企業、<検>経済気象台、<検>世相、<検>社説、
備考:長期、短期に金融政策・経済政策にも精通している独自の組織が、社会全体が変動する時にはアドバイスする事が必要だと思う。