散歩道<5000>
 
                          経済気象台(717)・特許力の評価

 日の丸半導体」の期待を背負ったエルピーダメモリが行き詰った。DRAMの生産や技術で世界一流の実力を持ちながらも、これが日本の現実である。
 今後、生産、開発の体制を残す道はないものか。物づくりに長じてきた日本は、知財立国に向けた環境整備にいま一度、力を注ぐべきではないか。特許の申請件数で日本は年35万件前後で停滞し、すでに中国に抜かれた。中国の場合は、申請者に国が補助金を出す奨励策もあってのことだという。
 また、自国の次に米国でと特許を取得する流れがある。韓国のサムスン社のアメリカでの特許申請件数は日本の大手電機メーカーの2倍にも及ぶ。
 日本では2004年、申請が多く裁ききれないというので審査料を2倍にした。その後引き下げられたが、一件あたりおおよそ15万円となお高水準にある。
 
もっとも、申請の数だけでなく、各社の特許戦略も大切である。特許への外部からの注目度や、特許取得の効率などが、将来の技術競争力を測る重要な手がかりとなる。
 このよな「特許力」を指標化し、総体評価までできるデーターベースが民間の会社によって既に開発されている。この経済環境のなかでは事業として成り立たせるハードルはまだ高いというが、投資の尺度としても「特許力」といった指標は有用である。
 この会社が手がける、企業の総合的な特許力を評価する仕事は、日本の知財戦略を推進する土台にもなるはずだ。国がこうした芽を育てることも必要であるし、物づくりの波及効果として、市場に関わる人々の「特許力」への関心がもっと高まってよいのではないか
'12.3.17.朝日新聞

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備考:最近のノーベル賞受賞者が必ず云われるのが日本には長期の基礎研究に掛ける投資が低すぎるというものだ研究成果を短期に求め過ぎという最近の流れは一方注意も必要である。'17.4.