散歩道<4998>
経済気象台(715)・金融政策より産業構造政策
日本銀行が14日に一段の金融緩和策を発表し、市場は好感している。しかし、今後の日本経済を考えると課題は金融政策ではなく、産業構造政策にある。この点をはっきりさせないと将来の日本経済に禍根を残すことになる。
短期金利がほぼゼロの状態で、物価水準を引き上げる為の有効な手段は金融政策に残されていない。ジャンプジャンプと表現してもいいような金融市場の状況がこれだけ続いても、実体経済に前向きの動きが広がっていないという事実を、我々はきちんと受け止めるべきである。
今回の長期間にわたる物価低迷の主因はマネタリーな分野ではなく、実体経済にある。すなわち総需要の低迷によりデフレギャップが恒常化していることが主因だ。その背景には、老齢化(20年間で65歳以上人口は2倍)による需要の構造的変化に供給サイドが対応できていないことがある。
シニア層は家計の金融資産の6割り(約700兆円)を持つと言われる。家や車はすでに保有しており、モノへの欲求は弱い。関心は健康、長生きであり、スポーツ、旅行、健康商品、医療、介護に関する需要は根強い。
しかし、現状は行政の規制が障害になり、サービスが十分提供されていない。特に医療・介護関連はひどい。現在の健康保険は特別会計の収支を合わせることに腐心しているため、診療費の抑制が自己目的化され、患者の満足度はなおざりにされている。
先進医療や予防医療は適用対策外にされ、健康で長生きできれば少々の医療費をいとわないシニア層の需要に応えられていない。
こうした欲求を充足するサービスが増えれば、国にあ需要はまだまだ成長の余地がある。