散歩道<4990>

                                社説・シャ−プの教訓(2)                   (1)〜(2)続く 
                                技術力だけでは勝てぬ         

 経営の「選択と集中」が求められる中、液晶テレビに絞り込んだシャープは、その「一本足打法」がもろさにつながった。
 一方で「選択と集中」が不徹底だったという見方もある。完成品のテレビか、液晶パネルという部品化、どちらかで生きるか選択せず、いいとこ取りを狙った結果、 両方の市場で優位に立てなかったというのだ。
 シャープに限らず、技術力や商品力に自信を持つ企業は往々にして販売が弱い。
 スマートフォンに代表されるように、世界市場を舞台とした競争になると、技術力とともに生産や販売の力がなければ勝てない。「選択と集中」を進めるなら、なおさらである。 シャープが開発した省電力の液晶パネルは象徴的な例だ。米アップルのタブレット端末向けに売り込んだが世界販売に必要な量を供給できないことなどから、思うように進んでいない。オンリーワンの技術も量産と販売の条件がそろわないと、ロンリーになりかねない。
 今後の命運は鴻海
(ホンハイ)との交渉に左右される。合意にたどり着くまでには、なお曲折があるかも知れない。
 ただ、販路を広げ、ガラバゴス化した日本的経営を変革するには、東アジアの有力企業同士が国境を越えて融合するのも時代の流れだろう。日本企業の再生と強化を考えるには、視野を大きく持ちたい。

'12.10.3.朝日新聞

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