散歩道<4989>

                              社説・シャ−プの教訓(1)               (1)〜(2)続く 
                              技術力だけでは勝てぬ         

 「世界の亀山モデル」をうたう液晶パネルで一世を風靡した シャープが、業績の急激な悪化に苦しんでいる。
 リストラを条件に銀行団が追加融資を決め、当面の資金繰りは一息ついたが、自己資本の不足や不採算事業の整理など構造問題は残ったままだ。
 再建のカギを握る台湾の鴻海
(ホンハイ)グループからの出資受入れ問題は膠着状態(こうちゃく)にあり、危機の出口は見えていない。
 家電業界はどこも苦しい。戦略の柱だったテレビが経営の足を引っ張る構図も共通する。
 シャープの転落ぶりには、同社固有の事情だけでなく、日本の電機産業が抱える問題も見え取れる。
 シャープ危機の原因が、液晶テレビに経営資源を集中しすぎたことにあるのはあきらかだ。
 韓国勢とのコスト競争に勝つため、大阪・堺の新鋭工場に約4200億円もつぎ込んだものの、リーマン・ショックに見舞われ、地デジ移行に伴う需要もはげ落ちた。 堺工場の操業を維持しようと在庫を積み上げ、その反動が巨額の赤字となって噴出した。

'12.10.3.朝日新聞

関連記事:散歩道<検>社説、<検>企業、<検>政治