散歩道<4983>
インタビユーオピニオン・緊迫する日中(1)
反日デモの底流に格差の不満
尖閣列島を巡る緊張が解けぬまま、日中国交正常化40年を迎えた。補完していたはずの経済関係さえ壊れかねない様相だ。中国社会の底流で何が起きているのか。巨大な隣国とどう付き合うべきか。中国に深くかかわる2人に聞いた。
反日デモが過激化し暴徒化した背景には将来に希望が持てず、失うものがないと思っている若者たちの存在があります。彼らは激しい市場競争のなかで取り残され、格差社会を生んだ中国政府に不満を持ち、金持ちを恨んでいます。
ケ小平(トンシァオピン)が1978年に始めた改革開放以降、中国では経済発展が優先され、社会主義国家には本来あり得ない富の集中がおき、権力の近くに利益集団が生まれています。デモで多くの若者が毛沢東の肖像画を掲げていましたね。毛は、貧しくても平等だった時代の象徴。その肖像画を掲げることで、中国政府への不満を示していたのです。
確かに胡錦濤(フーチンタオ)政権は調和の取れた発展をめざす「和諧社会」を掲げ、雇用を創出して貧困層を減らしたり、医療制度改革を進めたりしました。格差軽減に一定の成果は出ていますが、平等を重んじれば成長が鈍り、成長を重視すれば格差が広がる。どちらに偏っても不満が出てくるわけで、難しいかじ取りを迫られています。
'12.9.29.朝日新聞・筑波大名誉教授・東京福祉大国際交流センター長・遠藤 誉さん
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