散歩道<4973>

                               オピニオン耕論・団塊世代の第2幕(2)              (1)〜(2)と続く
                              人材を育てた後に別の奉仕を

 二面性は政治家の側にもある。個人差はありますが、現実主義と理想主義、保守性と批判性が同居するのが団塊世代の政治家の特色です。私はもとよりは鳩山由起夫さんや菅直人さんにもそういう面がある気がする。信念がなく見える時もありますが、現実と理想の両方に立脚するので意外としたたかです。
 そんな団塊世代が一線を退き、社会保障を受ける側になる時期にきています。負担する側の、団塊世代により豊かではなく、数も少ない若い世代から不満の声が上がるのは当然でしょう。現役のみが退職世代を支える今のシステムは明らかに限界。時代の転換期です。
 6月に県政策参与だった38歳の小野泰輔氏を副知事に指名したのは、時代の変化を意識したからです。団塊世代には正直、右肩下がりの社会は実感できない。そうした社会を現実に肌で感じてきた30代の知恵を借り、若い世代の声を県政に生かすことが必要と考えたからです。
 政治家を育てる狙いもあります。ソクラテスは「政治家やその志望者の中には、訓練もせずに突然、政治の達人になれると考えているものがいる。誠に不思議だ」といっています。素人に政治改革を期待する向きがありますが、私は信じません。団塊世代の高齢化が進む前に、将来を担う政治のリーダーを実践の場で鍛えなくてはいけない。育つまでは現役を続けるかって。いや、私もいつ、どうなるか解らないから・・・・。
 戦後の豊かさを享受した団塊世代は幸せな世代でした。その幸せを後世につなぐため、これまでの活動の「場」から身を引き、バランス感覚としたたかさをいかし、別の分野で社会奉仕をする。そんな世代交代が必要です。政治家も例外ではないでしょう。

'12,9.7..朝日新聞・熊本県知事・蒲島郁夫さん

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