散歩道<4968>

                      オピニオン・インタビユー高度成長とアメリカ  
                       
成功物語の裏面で米支配が内面化原発はその象徴(2)
  

・・・なぜ日本だけが享受できたのですか
  「日本がアジアの帝国だったからです。アメリカは戦後、大日本帝国の遺産を引継ぎ、日本がかって植民地化した多くの地域を自陣営に組み込んだ。そして日本は、アメリカと最も仲の良いアジアの国として自らを再定義することで、戦後もアジアの中心であり続けることができました。大日本帝国は敗戦でチャラになったわけではない。この連続性は見逃されるべきではありません」
  「冷戦構造の中、アメリカは日本に、対共産圏の軍事的防壁である韓国やフイリッピンなどを経済的に支える役割りを担わせました。だからアメリカは日本本土の軍事的負担を解除し、先端技術をどんどん移転した。日本人の勤勉さや円安の好条件も重なり、高度経済成長は実現します」
・・・単に日本人の頑張りによって達成されたのではない。
  「そうです。しかし実際に豊かになると、私たちはそれが歴史的、地政学的な文脈で成立したことを忘れた。忘れてしまえるほどに、アメリカの占領体制を内面化したともいえます。広い意味での占領は52年に終わったわけではない。もっと日本の社会や歴史、構造に内在するような形でアメリカは戦後日本を支配し続け、日本は現在もアメリカから自由ではない。そのことをはっきり解らせてくれるのが原発です」


'12.9.4.朝日新聞・東京大教授・吉見俊哉さん

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