散歩道<4832>
インタービユー・オピニオン・震災国の私たち
文明は磐石でない無常観を抱きながら積極的に、地道に (3) (1)〜(6)続く
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・・・そこから、どういうことが言えますか。
「関東大震災と比べると、社会や人々の意識に根本的な変化が起きていたことがわかります。震災という特殊な状況によって、見えなかったものが見えるようになった。国内がすでに国際化し、人々が偏狭なナショナリズムを脱したことがはっきりしました。文化やスポーツも大事だとは阪神の時は言いにくかったけど今回はそんなことはなかった。いや、逆に被災地の皆さんが喜んでくれました」
「もう一つ明らかになった決定的な違いは、『防災』という言葉が、『減災』という言葉に置き換えられたことです。これは政府の復興構想会議で学者たちが言い出したことですが、100%の防災は不可能だ、戦えない、逃げようという思想を公然と打ち出したわけですね」
「大震災は、言うまでもなく、大変不幸なことです。ただ、日本人の国際性、文化主義、平和主義という意味においては、ある種の理想の姿をみせた。ここは強調したい」
・・・なぜ、こういう姿になったと思いますか。
「日本人は戦後ずっと積み重ねてきたといえます。文明的に言えば、今の日本人にとって、『戦後』の方が『震災後』よりも大きい、ということです。戦後民主主義というと、右の人たちから悪く言われがちですが、実際は日本国民の血肉になっていたわけですね。それが、震災という特殊な事情の中で、如実に表れたと私は考えています」
12.3.9.朝日新聞・劇作家・*1山崎正和さん
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