散歩道<4764>
                        
                          インタビユー・オピニオン・ドルの落日(2)                    (1)〜(6)続く
                      一極支配が失速 ゆらぐ基軸通貨 米に「失敗」の自戒   

・・・ドルが暴落する恐れは。
  「米国の力が弱ってきたのは確かですが、まだドルにかわりそうな通貨はない。ドルが売られて暴落すると唱えた人は何人もいたけど、結局、その予言は当たっていない。各国の外貨準備ををみるとユーロはドルについで2番目に多いが、基軸通貨になる可能性はゼロでしょう。ユーロ圏の人たち自身が欧州の共通通貨で十分と考えている。今回の債務危機で、税や予算など財政面の統合ができないままでは共通通貨すら難しいことがわかりました」
・・・人民元はどうですか。中国は米国と覇権を争う姿勢です。
  「中国は、米国という一国の金融政策のもとで管理されているドルを、世界中が使われているのはおかしいと明言している。貿易の決済に人民元を使い、資本規制を緩め、上海を国際金融センターにすることで、人民元を主要な国際通貨の一つにしようとしているのは確かです」
  「ただ、基軸通貨にしようとまで思っているかどうか。中国は人民元をドルに事実上、固定してきた。人民元の相場を割安に抑えることで輸出を増やし、稼いだお金を資源の確保や途上国の援助などに戦略的に使うほうが得だと思っているのでしょう。成長戦略とのかねあいで、為替政策も極めて現実的に考えている」
・・・ドルが没落し、ユーロも人民元もとって代われないとすれば、通貨は無極化するのでしょうか。
  「ポンドからドルへの基軸通貨の転換には、英国の衰退から約50年かかった。今後数十年はドルが一番使われる通貨として残るでしょう。ドルに加え、ユーロ、ポンド、円、人民元が通貨の『新G5』になる。この5大通貨国・地域が話し合う仕組みを考えておく必要がありますね」

'12.2.7.朝日新聞 元財務官・*1行天 豊雄さん 

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