散歩道<4733> 
 
                         インタビユー・オピニオン・経済成長という麻薬(2)                  (1)〜(7)続く
                       幸せを感じるのは 成長が加速する時 止まれば消える

・・・経済成長は歴史的には欧州で創り出されたのですか。
  「産業革命とともに欧州で発明された。17世紀の科学革命の成果でもある。それは自然と人間の新しい関係を切り開き、物質的な社会を築いた。われわれは、今そこに暮らしている」
  「けれども一人一人の幸福は増えていない。かっては、社会が豊かになれば人口は増えるが、一人一人は相変わらず貧しかった。今、同じような言い方をすれば、経済が成長すれば一人一人もより多くの財を手にできるが、より幸福にはならない、ということだ」
・・・経済成長の結果、豊になることは、幸せになったということにならないのでしょうか?
  「ならない。快感は成長が加速するときに得られるだけだ。新しいカメラを買った初日みたいなものだ。1年は続くかもしれないが、そのうち飽きてしまう。人を幸せな気分にするのは成長であって、豊かさそのものではない。到着点がどこかは重要ではない。重要なのは『もっと、もっと』という感覚だ」
  「だから大きな幸福感を得るときというのは、大変残念ながら日本も経験したように、すべてを破壊する戦争などの後だ。とても大きな苦しみの後、30年にわたって幸せを感じることができる」

'12.1.18.朝日新聞・経済学者・ダニエル・コーエンさん

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