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教養・希望の未来は何色か
希望という言葉を最近よく目にするインターネットで希望というタイトルの本を探したら1066冊あった、(123冊は去年から今年である)。ハンガリーの叙情詩人ペテーフィの言葉を借りると「絶望が虚妄であるのは、まさに希望と同じだ」と青年達に説いた。一体、希望とは何なのか。そして個人の希望は社会のありようとどのようにかかわっているのだろうか。東京大学社会科学研究所で希望と社会の関係について「希望学」というプロジェクを始められたそうだ。経済、歴史分析、思想・制度研究、社会調査など、研究所の全精力を結集して希望を社会科学していかれるらしい。全国の20代〜40代の900人にアンケートで、回答を寄せられた結果では、4人に3人は希望があるという。その8割は希望は実現するだろうと考えている。希望の内容では1番に仕事、家族、遊び、健康の順となる。希望のない時代ながら案外多くの人は現実的な希望をもっている。希望をもっている人とそうでない人とは何が違うのか、個人の性格にかかわる部分が大きい。好奇心や独立心が強い人、粘りが強く、決断力や柔軟性がある人ほど、希望があることが多い。それに何といっても希望にはチャレンジ精神がモノをいう。性格以外では、友だちの多い人、子供の頃に家庭から何かを期待された記憶を持つ人ほど、希望を未来にもっている。小中学生の頃に、なりたい職業の具体的なイメージを持っていた人ほど、未来に希望をもっていたりするようだ。また、過去に挫折経験がある人ほど、将来に対する希望をもっている場合が多い、挫折や失敗を乗り越えたところに、希望は待っているのだろう。一方で、経済的な豊かさや年齢などは、希望の有無とは、それほど関係はないようだ。未来は何色だと思いますかと聞いてみた。希望がある人もない人も、未来としてイメージするのは水色と黄色が多い。希望がない人でも白色や灰色をあげる場合も少なくない。それに対し、希望をもっている人は、オレンジ色を未来の色と感じていることが多いようだ。水色と橙黄色(とうこうしょく)。たしかに希望には、清らかな水とまぶしい太陽がよく似合う。
'05.6.18.朝日新聞、東大助教授・玄田有史氏
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