散歩道<471>b

                       散歩道1700回記念・面白い話・大集合(23)

147.元駐クエート大使愛甲次郎さんの話:通産官僚初の大使としてクエートに赴任、海外勤務は5回、13年間。英悟、フランス語、中国語、など9カ国の日常会話に通じる。この人の話だが、海外の要人と話すときは、語学力より、日本文化や仏教の話を出せば身を乗り出すことになるらしい。そとで暮らすと日本の伝統や豊かな言語文化を再認識する。日本語の奥深い歴史を知ることこそ大切といわれる。散歩道<1716>

148.ついに入試の難関を突破「破天荒」
 中国の唐の時代、刑州
(けいしゅう)地方は、科挙のなで知られる役人登用試験の合格者が一人も出ないことから、「文化程度が低い未開の地」という意味で「天荒」と呼ばれていた。ところが、850年、劉蛻(りゅうぜい)という一人の刑州出身の青年が、発奮して、みごと科挙に合格した。それに驚いた人々は、天荒の汚名を破ったという意味で、「破天荒」なことだとほめたたえた。現在の日本では、家庭教師や塾のお世話にならず入試を突破することは、まさに「破天荒」なできごとだといわれるが、学校教育の荒廃と同義語である乱塾時代をつき破る快挙という意味では、まさに「破天荒」の名にあたいするものといえよう。樋口清之様

149.槌の音があわないと「とんちんかん」
「鍛冶屋」と言っても、今の若い人達にはピンとこないかもしれないが、早い話が、今で言う鉄工所のことだ。もちろん、現在のように工場は機械化されていなかったから、いく人もの”鍛冶”と呼ばれる職人達が、相鎚(あいつち)といって交互に鎚を振り降ろしながら鉄を鍛えた。その情景を歌った「村のかじ屋」という童謡をご記憶の方も多いだろう。互いの呼吸が合って,うまく相鎚が打てればいいが、時には、打ちおろおす鎚がゆき違い、うまく合わないこともあった。そんな時は、鎚の音がそろわず、べつべつに聞こえる。その音が「とんちんかん」。鉄も人間もとんちんかんな鍛え方をすると鈍ってしまうものらしい。
樋口清之様

150.伊賀の忍者*1の特技・「スッパ抜く」
楠木正成といえば、南北朝時代のすぐれた武将として、戦前の小学唱歌にまで歌われた人物だが、この正成、兵法家としても有名だ、特に,敵方や他国のプライバシー、戦力の情報収集能力は抜群だったという。この「楠機関」の手足となって働いたのが、伊賀
(三重県)の忍者*1で、別名を透波(すっぱ)。陸軍中野学校ばりの特殊教育を受けた透波たちが、腕によりをかけて集めたデーターをもとにして、正成は戦略を練ったという。こうして後世に名高い奇兵法で敵を苦しめたが、今日から見てもこの戦略、なかなかに現実的なものだという。透波の功績大といわねばならない。もっとも正成は、集めた情報を、「スッパぬき」に使うようなことはしなかったようだ。樋口清之様関連記事:散歩道<225>*1

151.山師の勘か、山本勘助の名戦略か・「やまかん」
 昔、鉱脈を探るには、ボーリング調査などの科学的探査ができなかったので,長年経験を積んだ山師の勘が唯一の頼みの綱だった。ところが、山師たち、ようやく発見した鉱脈を一人じめにしようと、さまざまな計略を働かせて他人の眼から隠そうとした。そんなところから、この「やまかん」、今ではあまりいいニューアンスを与えない言葉になってしまった。この「やまかん」に関して、おもしろい説がある。甲斐の武将武田信玄(たけだしんげん)が信州に進出したとき、優れた計略を謀り、非常な功があって軍師として重用された山本勘助(やまもとかんすけ)の名に由来するというものだ。もっともこの人物,事跡・生没とも詳かでないというから、この説、ヤマカンかもしれない。樋口清之様