散歩道<4716>

                      インタビユー・オピニオン・新しい民主主義(4)                     (1)〜(8)続く
                        何十万人もの[自分たち」で動き、決める時が来た。

機能しない代議制 まずは「ノー」から

・・・では、どういうシステムを考えていますか。
  私は発明家でも予言者でも教祖でもありません。聞かれても難しい。私の仕事は、どこで、どういう形で、新しい民主的なシステムが生まれようとしているのか。見えている事柄を分析し研究することです。すでに世界各地で始まっています。ニューヨークの「ウォール街占拠」運動や、スペインの「怒れる者たち」の運動、あるいは北アフリカの「アラブの春」などを見ながら考えるわけです。誰かが設計したらできるというものではありません。私が言う「新しい民主主義」とは、世界の生きた経験の積み重ねの中から生まれてくるものです。
  ラテンアメリカで90年代半ばから活発化した新たな社会運動も参考になります。例えば、ブラジルの[土地なし農民運動」(MST)は、貧しい農民たちが遊休地を占拠し買い上げを国に求めた、土地所有の変革を薦める大規模な運動です。政府はこれを受入れ、彼らと開かれた関係を作り、地域の潜在的な力を引き出しました。
 政府が運動を抑圧しなかったことに注目して下さい。運動を開放したことで、新しいモデルやシステムを生み出したのです。これが大事です。大恐慌のあと、米国のルーズベルト大統領が労働者の権利保護を進めたように。

'12.1.4.朝日新聞・政治哲学者・アントニオ・ネグリさん


関連記事:散歩道<検>社説、<検>政治、<検>言葉、<検>外国、