散歩道<4715>
                      インタビユー・オピニオン・新しい民主主義(3)                     (1)〜(8)続く
                        何十万人もの[自分たち」で動き、決める時が来た。

 ネグリは「新しい民主主義」によってしか今日の世界的な危機を脱することはできないという。それは何なのか。著書「マルチチュード」では民主主義の「新しいモデルと方法」に言及し、「全員による全員の統治」を述べているが。

機能しない代議制 まずは「ノー」から

・・・「70億人が70億人を統治する」と?そんなことがはたして可能ですか。
   その問いは、まさに反動勢力から投げかけられたものです。問題はそんなことではない。今の民主主義のやり方を根本から改革するかどうかです。労働、生産、金融、そして富の再配分を、多数の人たちが参加して、共にコントロールしていく。その仕組みを作っていくことです。
・・・その「コントロール」は、現在の政府が行うべきでは。
  政府という統治組織には、人々の「参加」の度合いが足りません。いま、各国の政府が危機に陥っているのは、もはや政府が社会を代表するものとは言えなくなってしまったためです。
  国民全員で一つの政権を選び、その政権が政治的な方向をうち出だしてみんながそれについていく。そういう従来型の政治が十分に機能しなくなった。それが現在の民主主義の姿なのでです。多くの国で立法府と行政府がにらみあったまま動けない状況が見られますね。大統領に権限を集中しているはずの米国ですら、そうです。
・・・日本はまさにその状態です。
  私には、代議制や三権分立など、18世紀に生まれた民主主義のしくみが腐ってしまったように見えます。腐ったといっても汚職のことではありません。機能できなくなったのです。全般的な見直しが求められています。これは不可欠です

'12.1.4.朝日新聞・政治哲学者・アントニオ・ネグリさん


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