散歩道<4695>
経済気象台(695)・EPA看護師候補に光を
2008年8月、経済連携に基づき初来日したインドネシア人看護師候補104人のうち、今年の試験で78人が不合格になった。政府は、大部分の人が資格を取れずに帰国と言う事態を恐れ、68人の1年間の在留延長を認めたが、6割以上の人が失意の帰国の道を選んだという。
EPAで日本の看護師資格取得を目指す国は、インドネシアとフイリッピンで、08年度104人、09年度266人、10年度86人が来日した。しかし、彼等の来日1年目の試験での合格率は0.3%(1人)、 1.5%(5人)、14%(13人)。これに対し、日本人を含む看護師の国家試験の合格率は92%だった。
この差の原因は、「日本語」にある。患者の健康・安全・安心のため日本語でのコミュニケーション能力や専門知識が必要で、その習得に一定の時間を要するだろう。それにしてもこの差異はあまりに大きすぎないか。
例えば、日本語による看護研修期間の充実、試験への辞書もち込み、仮免許的資格の創設などの配慮があってもいい。自国の看護師資格を取得済みなのだから、精度・運用上の根本的な改善が必要ではないか。
超々高齢社会に向っている日本は、「平成の開国」により、人・モノ・金の行き来を促進させる以外に成長の道はない。人手不足に悩む看護や介護の分野では、外国人労働者を確保しなければ、事態の深刻度は増すばかりだ。
希望に胸を膨らませて来日した若い人たちを、嫌日家に追いやることのないよう、再挑戦する人の支援を強化して欲しい。今の看護師国家試験制度が、そして厚労省の不作為が非関税障壁だと言われる前に。
'11.12.2. 朝日新聞
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