散歩道<4688>
経済気象台(688)・3・11と中央集権の限界
明治維新はそれまでの緩やかな分権支配を強力な中央集権へと変え、その流れは先の愚かな敗戦のあとも、更に強化され続けてきた。経済成長の恩恵を受けた微税力の拡大は地方支配を強め、全国一律の規制によって中央官僚の権限が飛躍的に強化された。
しかし、今回の東日本大震災(3・11)では、この中央集権がもはや機能不全で、国民を擁護するシステムでないことを端的に露呈した。
全国の多くの地方公務員が震災支援で現地に入り、多大の貢献をした。このとき、3分の2が地方に赴任している中央官僚はいったい何をしたのか。国一律の規制を墨守し、復旧・復興の足かせとなったとの声をよく聞く。
原発事故においても、放射能被害の実態とかけはなれた規制や、突飛な緊急時非難準備区域の指定解除など、恣(し)意性が強く、現場の実務から遊離してしまってる実態をさらした。特に経済産業省は原発事故を矮小(わいしょう)化した。各省庁も先を争そって規制下の業界に節電対策報告を求めた行動は、国民生活と経済活動を確実に阻害した。
野田内閣も同じだ。増殖し続ける政府を支出の無駄の排除や、公務員給与の削減に踏み込まずに、増税や国家資産の売却を急ぐ姿勢を国民はどう思うのか。野田佳彦首相の意欲や能力に疑問を感じる。分権国家である米国では、ブッシュの愚かな戦争や大企業の救済といった政府の恣意性にへきへきとして、小さな政府を標榜するティパーティ(茶会)運動が力を増し、オバマ政権を揺るがしている。わが国でも、小さく、効率的で、市民に有用な政府を求める茶会(TEA=Taxed
Enough Already)が必要な時代がきている。
'11.10.22. 朝日新聞
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