散歩道<4682>

                          製造業から見た日本と世界(4)                          (1)〜(6)続く

                       利益上がらぬ国内追い上げる新興国 先進国共通の苦境

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・・・そのためには、日本の製造業はどう変わっていくべきですか。
  「五つの選択肢のどれかを選ばなければならないでしょう。まず、ある分野に特化して、国内で徹底的にお客さんに奉仕して今ある顧客を離さない。京都のお茶屋さんのような堅実なビジネスです。第二は、やはり国内で狭い分野に特化すると同時に高い技術力でグローバルな競争力をもつ。小金井精機という会社が典型で、F1のエンジンの特殊な部品を超高精度で仕上げる技術があるので、海外からどんどん注文がくる」
  「3番目は一番、典型的なもの。国内に製造拠点は残しながら、培った技術を持って海外へ出てビジネスを広げていく。旭テックはこれです
第四はユニクロのように、国内はマーケッティングや開発に特化し、生産は全て海外でやる。これはこれで大変です。最後は、世界のどこにもない新しいものを作り出す。これは天才が出てこないと出来ない。どれもやさしいことではありませんが、どれか一つに決めないと」
・・・五つのどれも、国内で多くの人を雇うのはむずかしそうですね。
  「はい残念ですが、旭テックも会社3600人のうち、国内は1300人ほど。毎年、約100人が定年退職し、新卒採用は20人ほど。中途でも採っています。少数でも国内で人材を確保することは必要です」
・・・国内でもの作りに携わる人は減るわけですね。
  「だから一人一人の質を高めないといけない。その為には、徒弟制度でたたき上げていくしかないのですが、今の日本の若い人は怒られたことがないし、あまり海外に行くことを好まない。一番の心配は、若い人たちのマインドですね」

'11.12.24.朝日新聞・旭テック会長 入交 昭一郎さん


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