散歩道<4681>

                          製造業から見た日本と世界(3)                          (1)〜(6)続く

                       利益上がらぬ国内追い上げる新興国 先進国共通の苦境

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・・・しかし、全体としてみると日本のもの作りは苦境にある、と。
 「ええ、日本だけでなく、米国や欧州でも先進国の市場は自国産業にとって収益源になりにくくなっています。しかも、常に海外との競争にさらされる。だから、新興国の市場を取りに行くしかない。その意味でもTPP(環太平洋経済連携協定)への参加は当然だと思いますね」
 「さきほどから『日本の製造業』『日本のもの作り』といっていますが、その定義を考える必要があると思うのですが・・・」
・・・というと。
  「生産している場所が重要なのか、それをコントロールしている場所が重要なのか。1993年に欧州に行ったとき、ドイツの自動車メーカーの経営者たちは、もうドイツ国内に投資する気はない、これからは東欧だと異口同音でした。それから20年経って、フオルクスワーゲンもBMWも伸び続けている。海外工場で伸びていても、やはりドイツの製造業なんです。地域の経済と企業の発展は別のものに成っている」
 「海外で車を作るホンダやトヨタも『日本の製造業』ですよ。私は、21世紀の日本は工場も働き手も海外に出て出稼ぎするべきだといっているんです。海外で生産した製品を海外で売って、その利益を日本に持ってくる。国内の生産が難しくなっても、日本の製造業が世界各地に根を下ろして頑張れば、世界中から日本にカネが集まってくる。企業は、その装置になればよい」

'11.12.24.朝日新聞・旭テック会長 入交 昭一郎さん


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