散歩道<4676>
インタビユー・オピニオン・北の国からTPPを考える(6) (1)〜(6)続く
思想も民族も 一つにならぬ 違い認める英知を
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・・・日本は畏(おそ)れを知らない国になっている。
「ええ、日本は、小国でいいから尊敬される国を目指すべきじゃないですか。私はかねがね、ブータンが一つの理想だと思っている。ブータンの国王が先日、来日しましたよね。国王の姿を見ている、実に素朴で、田舎の村長みたいだけれど、日本人より人間の格が上だという気がするんです。王様のつめの中が見たかった。土で黒いんじゃないかって気がしたんですよね」
・・・今の社会や経済のシステムと、その延長線にあるTPPは受入れ難いですか。
「高校生の頃、本当にうちは悲惨な状態だったんです。そういう時におふくろがお年玉でくれた500円札は、どうしても使えなかった。他の500円札は使えるんですよ。でもおふくろの500円札は500円を示す紙切れじゃなくて、もっと大事なものとして自分の中にあるわけですよね。愛情が注がれているから価値が上がってくるんですよね。その部分をTPPも今の政治も忘れちゃいないかって気がします」
「TPPって、危機に陥ってるユーロ圏と、どこか似ていませんか。最近の混乱は、通貨の統一と同時に、思想も民族性も一つにできると錯覚したところに問題があったと思うんですよ。ブータンはブータンで認めて、日本は日本の生き方を認めて、その上で互いに助け合う。それがこれからの人間の英知なのではないですか。そういう気が僕はするんだけど。間違ってますかね」
'11.12.9.朝日新聞・脚本家・倉本聡さん
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