散歩道<4675>
インタビユー・オピニオン・北の国からTPPを考える(5) (1)〜(6)続く
思想も民族も 一つにならぬ 違い認める英知を
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・・・そういえば、「北の国から」で田中邦衛産が演じた黒板五郎も農業をしていますね。
「えええ、カネがかかってないでしょう。黒坂五郎のやっていることは。あの人税金払ってないんですよね。その代わり生活保護を受けることもないのが当たり前と思っているわけですよ。そこまで徹底しているんです。これは僕の理想だけれど、そこまでいけないから黒坂五郎に託したわけですよ」
・・・倉本さん自身も、土をいじるようになって変わりましたか。
「そりゃ変わりますよ。まず、毎朝起きた時に、天気が心配ですよね。窓を開けた時に、今日は冷えているな、とか。今日はぬるいなとか。雲を見てどっちに流れてるかな、今日は崩れるな、とか。うちの近所で十勝岳がちょっと出ると見えるんだけれど、十勝の雲が上に上がっている時は晴れる、山沿いに下がっている時は崩れてくる。習慣になっちゃってますよ。畑の手入れがありますからね。冷え込む日に霜対策をしなかったら、1年分の収穫がパになっちゃう。自分の力が及ばない自然を相手にすると、人間は代わりますよ」
・・・畏敬(いけい)の念が生まれると。
「生まれますね。自然を統御できるなんて、思いあがりですよ。なぜ経済って、こんなに偉くなっちゃったんですかね。日本は確かに経済大国になった。でも、日本というスーパーカーにつ付け忘れた装置が二つあると思う。ブレーキとバックギヤーですよ。みんながブレーキをかけることを恐れ、バックは絶対しないと考えている。前年比プラス、前年比プラスと、ひたすらゴールのないマラソンを突き進んでいる」
'11.12.9.朝日新聞・脚本家・倉本聡さん
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