散歩道<4651>   

                     インタビユー・オピニオン民主主義と独裁 (1)                 (1)〜(6)続く
                    橋下現象は必然 民意の過剰な反映 政治の劣化を招く   

大阪市長・大阪府知事のダブル選は、大阪維新の会の橋下徹氏と松井一郎氏の圧勝に終わった。「独裁」とも批判されながら、「民意」の圧倒的な支持を受ける橋下氏の存在は、日本の民主主義に何を突きつけているのか。保守の立場から民主主義のあり方を問い続けてきた京都大教授の佐伯 啓思さんに聞いた。  

・・・・橋下さんと松井さんの圧勝をどう見ますか。
  「今の日本の政治には、二つの潮流があると思います。一つは閉塞感を打破する為に既得権益を壊し、すべてを一新しようとする流れ、小泉純一郎さんがそうでしたし、橋下さんもその延長線上にある。ただ小泉さんから急に始まった話ではなく、90年代の政治改革からそうした流れがずっと続いてきていた。
  「もう一つは、構造改革や政権交代が成果を出せなかった反省から、急激な変化を警戒し、少しづつ地道に変えていこうとする流れ、野田佳彦さんが首相になったのはその表れでしょう。この二つがせめぎあっているが、急激に変えようとする流れの方が強い。維新の圧勝はそれを示すものでしょう」
・・・・橋下現象はポピュリズム(大衆迎合政治)なのでしょうか。
  「小泉さんや橋下さんは、ポピュリストとは少し違うと思います。ポピュリズムは、大衆の求めているものを与えることで支持を集める。名古屋の河村たかしさんは、減税という大衆が喜ぶものを提供した点で、ポピュリスト的です。しかし小泉さんの郵政民営化にしても、橋下さんの大阪都構想にしても、別に大衆が求めていたことではない」
  「小泉
*2さんも橋下*3さんも、まず自分が人気を獲得して、大衆を旨く乗せ、自分のやりたいことを実現させてしまう。大衆を喜ばせるんじゃなく、大衆を扇動するデマゴーグに近い。ただ、小泉一郎さんの場合、郵政民営化という目的がはっきりしていた。橋下さんは、何をやりたいのか見えない」

'11.12.1.朝日新聞・京都大教授・*1佐伯 啓思さん

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氏名・*1佐伯 啓思さん619.1987.4124.4180.<検>氏名*2小泉純一郎さん150.592.844.905.939.943.1085.1142.1149.1155.1800.2562.<検>氏名*3橋下知事2301-2<検>外国、<検>政治、<検>社説、