散歩道<4633>

                         インタビユー・オピニオン・資本主義経済よ、どこへ
(1)        (1)〜(6)続く
                    宿命のバブル崩壊 財政は赤字に傾く 完璧な処方箋はない  

米国発のバブル崩壊とそれに連鎖する欧州の政府債務危機、金融危機。市場資本主義をよりどころとしてきた世界経済が迷走の歴史を繰り返している。政府も中央銀行も、
経済学さえもそこに処方箋を示せない。そもそも私たちが歩んできた道は正しかったのか。どこかで混乱と停滞の迷宮に迷い込んだのではないか。経済学の泰斗に聞いた。

・・・ギリシャ危機がイタリアに飛び火するなど世界中で政府の過剰債務が進行です。なぜこんなことに?
  「自由民主主義の弱点が生み出した結果です。政治家が選挙に勝つために国民の望みを汲み取ろうとするのは大事だが、危うさもある。たとえば地元の小さな川を1級河川扱いして多額の予算をつける。一部の人は恩恵を受けるが他の国民は負担だけさせられる。一人づつだと薄まるのでコスト意識も働かない。その結果、利益要求が容易に実現してしまう。国民がよほど意識しないと、利益誘導競争に流れやすく、国全体で財政は膨張し続ける。自民党政権もそうだったし、民主党政権のマニフェスト目玉政策もそうです」
・・・日本も米欧も財政再建できないのは、政権の弱さだけが理由ではないということですか。
  「民主主義のもとでは財政は常に赤字へと傾かざるを得ない。政治家は選挙を考えると増税できず、高齢化で膨らむ社会保障費も削れないからです。民主主義は『現在』の欲求を満足させるシステムではあるが、次世代の社会がどうなるかを長期的に考えない。そこに欠陥がある」

'11.11.8.朝日新聞国際文化研究センター所長・*1猪木 武徳さん

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氏名・*1猪木 武徳2304,2546,4390.4633.<検>政治、<検>外国、<検>社説、