散歩道<4631> 

                        インタビユー・オピニオン・記者が消えた街(5)                (1)〜(6)続く
                       ニュースの発掘力 ネットは補えない 報道はNPOで

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・・・そもそも今回の全米調査の目的は何でしたか。
  「ネット化が進んで米国の各コミュニティーの報道需要はどのように満たされているのか、それが連邦通信委から依頼された課題でした。ニュースを供給する新聞社やテレビ局の視点ではなく、ニュースを消費する市民の側に立つ調査でした。私のような記者のほか大学共感、通信委職員など計38人で全米約600人から聞き取りをしました」
  「調査でわかったのは、『今日はこの市の決算と議事録に不正がないか洗ってみよう』と思い立つ人というのは、世の中では記者くらいだとうこと。自治体の動きを監視し、住民に伝える仕事などだれも自費ではやれません。ニュース供給を絶やさないためには、地元に記者を置いておくことが欠かせない。人口や自治体数などから推定すると、その仕事には全米で5万人の人材が必要。現在は1万人足りません」
・・・経営不振の新聞社がこの先、記者の数を増やすとは考えにくい。
  「私は新聞社を守れと訴えているのではありません。私の提言は、NPOとしての報道専門組織を各地で立ち上げていくこと。過去150年、新聞は大変収益率の高い産業でしたが、広告頼みのビジネスモデルはもう限界に来ています。景気や利益に左右されないNPO報道機関を作り、育てていくしかない」

'11.10.29朝日新聞・元米誌記者・スティーブ・ワルドマンさん

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