散歩道<4628>
インタビユー・オピニオン・記者が消えた街(2) (1)〜(6)続く
米で地方紙が激減 監視なき役人給与 大統領の倍にも
○ ○
・・・・報道内容に悪影響は。
「深刻です、最も大変なのは地方取材です。小さな街の役所や議会、学校や地裁に記者が取材に行かなくなったのです。米国にはもともと、全州に記者を常駐させてくまなくカバーするような全国紙はありません。地元案件はもっぱら、地方紙がもっと小さなコミュニティ−紙が取材報道してきた。頼みのローカル紙が休刊し、残った新聞でも記者が減らされた結果、記者が来ず報道もされない『取材空白域』があちこちに出現するようになりました」
・・・・聞きなれない言葉ですが。
「たとえばカリフォルニア州の小都市ベルで起きた事件を見れば分かります。地元紙が1998年ごろ休刊になり、市役所に記者がひとりも来なくなった。市の行政官(事務方トップ)は500万円だった自分の年間給与を、十数年かけて段階的に12倍の6400万円まで引き上げた。オバマ大統領の2倍です。驚いたことに、市議会の承認を得ている。警察署長の給与を3600万円まで引き上げるなど幹部や市議をぬかりなく抱き込んだからです」
「住民はこの行政官が豪勢な家を建て、広大な牧場を購入したので不審に思っていた。でも地元に頼るべき新聞社はない。十数年間、市長選、市議選に記者は来ず、議会を傍聴する記者もいなかった。それで広域紙ロサンゼルス・タイムズの記者が隣の市で取材中、異常な高給ぶりを聞き込んでスクープしました」
'11.10.29朝日新聞・元米誌記者・スティーブ・ワルドマンさん
関連記事:散歩道<検>政治、<検>社説、
![]()