散歩道<4627> 

                        インタビユー・オピニオン・記者が消えた街(1)                (1)〜(6)続く
                     米で地方紙が激減 監視なき役人給与 大統領の倍にも

    米国では経営不振から地方紙が撤退した街々で、公務員の不祥事や投票率の低下など予想されなかった現象が起きている。記者の取材が絶え、住民は頼るべき存在を失ったからだ。米連邦通信委員会から委託されて全米のニュース需給事情を調べた元米誌記者スティーブ・ワルドマン氏にそうした「取材空白域」の実態を聞いた。

・・・リーマンショックから3年、米新聞業界の現状は。
  「暴雨雨は脱しましたが、依然厳しい。新聞広告収入はここ5年で半減しました。その間にページ数を減らし、記者の賃金を下げ、記者の数を減らしました。休刊したのは212紙にのぼる。20年前、全米で6万人いた新聞記者が、今では4万人しかいません」
・・・新聞記者減らしはどう進んだのですか。
  「まず削られるのは整理部です。見出しをつける作業などをする部署ですが、取材部門とは違い、読者から見えない部署だから。次は文化部。映画評や書評は、社員記者が書いたものである必要がないから・教育、裁判、環境、農業などの記者も軒並み減らされています。削られたのは、大切だけれど忙しいから読み飛ばそうと読者に思われがちな分野。米国ではそれを『ブロッコリー分野』と呼ぶ。栄養面では大事だが、味が味だから食卓では残してしまう野菜になぞらえた表現です」
・・・新聞社の編集局は様変わりしたと聞きました。
  「何かひとつ取材するたび、写真と動画を撮り、ネットに速報を送り、新聞原稿を書き、記者ブログを更新し、フエイスブックに書き込み、ツイッターにつぶやく。ひとり7役か8役。会社の机で余裕なく書き続ける姿は、飼育かごの中で回転車輪を走り続けるハムスターのよう。自虐を込めて「ハムスター記者」と呼び合っています」

'11.10.29朝日新聞・元米誌記者・スティーブ・ワルドマンさん

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