散歩道<4614>
            
                        
オピニオン・耕論・ダブル増税 大義あるか(2)                     (1)〜(2)続く
                                増税なくして危機脱せず

 一体改革の成案は「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」としている。この核心部分に関して自民党や公明党も考えは同じはずだ。野田政権は野党との協議をもとに、消費増税の法律をつくるという歴史的な使命を担う。民主党は国民に信を問うてから実施すると決めており、通常国会で税制改革法案が通れば、いずれ総選挙だ。
 消費税率の引き上げに当たっては「完全目的税」、つまり高齢者の年金、医療、介護と、子育ての4経費以外には使わないことを会計的にも法律的にも決め、国民の信頼を得たい。当然、国会議員の定数削減や選挙制度改革で政治家も身を切ることが前提となる。
 成長さえすれば税収が増えるから消費増税は不要だ、という主張をする人が政治家の中にもいる。しかし、所得税や法人税の自然増に頼ることができた高度成長期とは違う。成長だけでは解決しないのだ。
 民主党政権は新成長戦略で、今後の実質経済成長率を約2%としている。デフレを脱却すれば名目3%台の成長は可能だともいえるが、だからといって増税が不要にはならない。
 欧州危機を見れば分かる通り、国債が暴落すると、それを大量に抱える銀行の経営が破綻
(はたん)し金融恐慌に陥りかねない。そんな事態を招かない為にも税制改革は欠かせないのだ。

'11.10.12. 朝日新聞・民主党税制調査会長・藤井 裕久氏

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