散歩道<4613>
オピニオン・耕論・ダブル増税 大義あるか(1) (1)〜(2)続く
増税なくして危機脱せず
野田政権が推し進める震災復興のための9.2兆円の臨時増税案。その先には社会保障財源のための消費増税が控えている。デフレ不況が続く中、二重の増税は不可避なのか
大震災の復興にも、「社会保障と税の一体改革」にも増税が必要だ。それで景気が失速することはないし、それなしに日本の危機は克服できない。
被災地の復興に全力を挙げて取り組むことは、政府の当面の最優先課題だ。財源については、所得税や法人税を期限付きで引き上げる方向で与野党の考えは一致していると思う。
増税で景気が悪くなってしまう、などという悲観論に陥る必要はない。増税分は復興事業に役立つのであって歳出面のプラス効果で景気は回復軌道を歩んでいくだろう。
むろん、個人や企業の負担増に配慮して、政府試算の売却などで増税幅を圧縮する努力は今後も欠かせない。しかし、地方では原発関連の復興費用が今後かなり加算され、復興事業の規模が膨らむと予想される。日本郵政の株式売却も含め、財源については一定期間後に見直すことが必要になる。
一方、社会保障の危機を克服するには「社会保障と税の一体改革」成案をもとに取り組まねばならない。復興財源は期間が限られているが、こちらは社会保障の恒久財源だ。今後、野党や国民のみなさんに説明し、今年度中に必要な法律をつくる。
改革の基本は社会保障の安定を図る事だ。経済を伸ばせば社会保障の財源不足は埋まるという古い考えは通用しない。
'11.10.12. 朝日新聞・民主党税制調査会長・藤井 裕久氏
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