散歩道<4604>

                           記者有論・戦争体験・天皇陛下と水木氏の問い(2)                  (1)〜(2)続く

 水木さんは、文化功労者として皇居での茶会に招かれた昨年11月、天皇陛下に戦争体験を語っている。「ラバウルで最前線に行かされ、私1人だけ生き残ったのです。みんな死にました」
 今秋の園遊会。天皇陛下は水木さんの左腕をいたわりながら、ラバウルで、本当に大変な経験をねぇ」と声をかけた。水木さんが「大丈夫です」と答えると、天皇陛下はこう言葉を継いだ。「だんだん年月が立つとみんなそういうものから離れていくから、そういう問題をいつまでも心にとどめておくことは、とても大事なことだと思います」 2000年のオランダ訪問に同行したときのことを、ふと思い出した。天皇陛下は晩餐会
(ばんさん)で、オランダ人戦争捕虜の存在を念頭に「戦争による心の痛みを持ちつつ、両国の将来に心を寄せる貴国の人々のあることを、私どもは決して忘れません」とあいさつしている。
 一兵士としての戦場体験を漫画で描き続けた水木さん。日本軍が「玉砕」したサイパンをはじめ、各国で戦争による犠牲者慰霊の旅を続けてきた天皇陛下、共通するのは、戦争を忘れず、後世に伝えようとする姿勢だ。それは私たち、後に続く世代への重い問いかけでもある。


'11.11.4.朝日新聞・社会部・北野 隆一氏

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