散歩道<4599>

                         時事小言・ウオール・ストリート占拠
                               組織不在の21世紀革命(3)                   
(1)〜(4)続く

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 まず、中心となる政治勢力が存在しない。既成政党の支持組織と異なる運動という意味で言えば、政治的立場は逆になるが、アメリカのティーパーティー運動とウオール・ストリート占拠運動には似たところがある。
でも、ティーパーティー運動の場合、既成の政治とは異なる政治家を議会に送り込もうという具体的な政治課題があり、2010年の中間選挙で大きな影響力をふるうことになった。ところがウオール・ストリート占拠運動を見れば、アメリカの社会格差を告発し、銀行や大企業への救済処置に反対するという立場が明確に見えるとはいえ、それを主導する勢力ははっきりしないし、次の大統領選挙で誰を推薦するのかなどという具体的な選択は見えてこない。ツィッタ-やユーチュウーブを見る限り、主体も要求もバラバラだ。
 20世紀の諸革命、たとえばロシア革命や中国革命の中心にボルシェヴィキや中国共産党があったことは明らかだろう。それまでの専制支配を倒した組織が、その専制支配をさらに上回るような抑圧的体制を作りだすことでも、20世紀革命には共通点があった。
 ところが*2エジプト革命でもウオール・ストリート占拠でも、膨大な群集が集まり、国際的に運動が波及しているのに中心となる政治組織はない。それでもエジプト革命ではムバラク退陣という要求が共通していたが、占拠運動にあるのは現在の経済社会と政治社会への告発であって、目的を実現するために誰に権力を委ねるのか、その政治的選択は見えてこない。
2011年11月11日 11:11:11

'11.10.19.朝日新聞・東京大学・国際政治学者・*1藤原 帰一氏

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