散歩道<4582>
耕論・オピニオン・ようこそ論争の解放区へ ・・・・・ 発想を変える
議論の触媒 担う覚悟で(2) (1)〜(2)続く
僕が「言論不況」を打破すると言って、2001年に「言論NPO」を立ち上げた時、日本の報道は政局が中心でした。オピニオンといっても、未来の日本をどう作っていくのかといった議論も少なく、批判や議論のための議論という感じでした。
その時に比べると、新聞もこの10年、オピニオン面を拡充したり、政策もきちんと報道したりするようになりました。しかし、他のメディアも含めると、ハウツーものや安易な報道がほとんどで、言論の場は相対的に狭まっています。
新聞の側も、民主主義の重要なインフラのひとつとして、言論を活性化する責任を自覚してオピニオン面を拡充しているのでしょうか。インターネット時代の生き残りのための差別化ではないかと思ってしまう。新聞のもがきを感じます。日経の紙面改革に朝日新聞がすぐ反応するのも、そのためでしょう。
言論NPOが04年、日本の国力を評価するため、国内の有識者100人に行ったアンケートがあります。日本の経済、文化など9分野の活動について、「強さ」「弱さ」を独自の基準で判定してもらいました。すると、戦略的には大事だが最も弱い分野とされたのが「言論活動」でした。その理由として、官民の政策論争が不活発でジャーナリズムの政策論争への貢献が薄い、という点が挙げられました。
一紙で数百万もの読者に支えられるような新聞の構造は、僕はもうもたないと思っています。新聞がオピニオンを大事にするなら、時には重要な議論について、オピニオンを1面に出すなど、立つ位置を明確に打ち出してほしいと考えています。
'11.10.21.朝日新聞・言論NPO代表 工藤 泰志さん
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