散歩道<4570>
経済気象台(686)・パラダイムシフト
100年に一度の不況、千年に一度の大災害を受けた日本の製造業は、常識を見直し、成長戦略を再構築する機会を得た。
その好例を商用車ブームに沸くインドネシアで聞いた。2.4億人のこの大国で、小口物流用トラックが増えている。世界的需要を背景に、鉱物資源や農産物を輸送する小型と中型のトラック需要も拡大している。だが、インドネシアでは道路網の整備が遅れている。鉱山や農園地帯の道路は舗装されておらず、道幅も狭い。その悪路を石炭やパ−ムヤシを満載したトラックが息つく暇なく走りまわる。
常識では考えられない使われ方も横行している。日本規格で2d以上積むのは当たり前。10d積んで走行する場合もある。10d積に30d以上の鉱物資源を積載するのも当たり前だ。
その状態で悪路を走行するとどうなるか。常識では規格外の使い方はダメ。トラックが壊れた責任は使用者にあるとしてきた。しかし、「非常識」な使われ方が当たり前の国では、積載量に耐える荷台、サスペンションを備えたトラックへの改造が進んだ。独特の使用方法に合わせて修理体制を整備することが競争の焦点になった。
関係者はこれまでの常識が新しいビジネスチャンスの獲得を妨害してきたと反省する。市場が基準を作るのであって、先進国の基準は役に立たない。
従来の考え方が劇的に変わることをパラダイムシフトという。経済発展と共に需要構造は変化する。市場が求める製品を供給する製造業の役割りも変わらない。常識に捕らわれた考え方こそパラダイムシフトすべきで、素直な市場変化への対応が問われている。
'11.9.2.朝日新聞
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備考:安全性基準が最優先されるべきで、このことの必要性を徹底なく、それを無視してまで現地の考えを優先する考え方は正しいとは思えないが?。
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