散歩道<4569>
経済気象台(685)・求む日本の進む道
野田政権が発足した。これまでは「誰が担当するのか」の議論が先行し、「日本経済をどうするか」の議論がおき去りにされた。日本経済の閉塞(へいそく)感、沈滞ムードの打開には、今こそ日本の進む道を示し、徹底的に議論を戦わせ、こうと決ったら強いリーダーシップでこれを邁進(まいしん)することだ。
ビジョンがないまま現場に任せにすると、一層の袋小路に陥るリスクがある。財務省が影響力を強め、増税を柱に財政再建を進める意向が伺える。しかし、財政再建は一つの手段であって最終ゴールではない。
財政をいったん立て直すのはよいが、問題は財政資金を使って、日本経済をどういう形にしたいのか、そのビジョンを提示するのが先のはず。税負担に耐えたその先に何の希望も見いだせないなら、負担への反発が出るビジョンだけだ。少なくとも所得を増やす機会を示すべきだ。
震災復興も確かに急がれる。しかし、現場に任せ、膨大な費用をかけて震災前の形をそのまま復元するのが良いことか。ここは個人の論理を超えて、より安全で東北にふさわしい経済モデルを提示し、震災前よりも所得機会の多い地域づくりを目指したらどうだろうか。
その為には一刻も早く原発問題を解決し、食や水の安心を確保するべきだ。その上で自然を生かしたアジアの観光拠点化、食料生産特別区、自然エネルギー集中地域など、現地はもとより、日本全体に活路を見いだす経済ビジョンを出してはどうか。
日本経済の復活は外交の活路をも開く。米国か中国かではなく、まず日本を無視できない国に戻すことだ。今こそ危機をバネにして日本が変わるチャンスだ。
'11.9.2.朝日新聞
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