散歩道<4556>
経済気象台(677)・人手不足の意味は
職場を失った多くの人が地元を離れたためか、それとも、がれきの撤去、仮設住宅建設などの復旧事業によって雇用が生み出された故か、被災地にあって人手が足りないという声を聞く。佳境に入るがれきの最終処理や、インフラ復旧などで圏外からも人を集めている状況だ。ただ、この人手不足には震災対応の失業保険給付期間の延長なども大いに関係しているようだ。 一方、関東、関西では建設に必要なコンクリートの型枠工といわれるような職人が不足し始めているらしい。復興需要を期待して多くの人が東北へ移動しているという。もともと公共工事削減の中で職人の数自体が減っていた。それをゼネコンなどが押さえにかかっているのだという。また、建築に使う建具の一部などが既に手に入りにくいとの話もある。被災地の復旧工事が本格化すると、人手も資材もその確保がいよいよ厳しくなると関東地区の建設関係者が言っていた。遅れ気味の復旧工事だが、これからどう展開するのだろうか。
製造業においても、自動車の下請け会社は人手不足で大わらわである。自動車メーカーは震災で減産した分を取り返そうと生産に拍車をかけ、部品下請け企業は必死で付いていっている。残業をこれ以上続けるのは無理で募集しているが人が集まらない、と下請け会社の社長は苦悩の色をにじませている。利益なき繁忙だとも言う。
震災後半年近くがたち、あちこちで人手不足の声が聞かれるようになった。実際に雇用情勢改善という役所の統計もある。だがその意味するところは何なのか。そしてこれからどうなるのか。人手不足と言われる現実が何とも釈然としないのである。