散歩道<4555>
 

                              経済気象台(676)・農漁業の復興に企業経営を

 震災から5ヶ月余り。被災地の復興には、地場産業とも言うべき農漁業の復興策が欠かせない。しかし、従来同様の家業的な零細規模の農漁業に戻るだけでは、国際競争力も含め将来のビジネスモデルは描きがたい。
 これを機会に、農漁業の従事者の共同出資による企業を生産単位とする経営形態に転換してはいかがか。各自はその企業の株主であるとともに従業員になる。その際、他の企業からの出資を受け入れることも必要であろう。そうすれば資本規模も大きくなり、効率も上がり、不況に対する抵抗力も付いてくる。
 農業では、耕作面積を広げて大規模農法を採用すれば生産性が向上する。漁業では漁船の大型化が可能で、沿岸から沖合、さらには遠洋漁業へも進出できるようになろう。
 より重要なことは、農漁業を家業から企業経営に転換させることである。そうすれば、原材料の仕入れから生産物の販売、さらには資金調達まで、自分たちが考えて経営方針を決めるようになり、コスト構造から営業政策まで見直すことができる。
 農産物を自動的に農協経由で販売するのではなく、消費地の小売業者に自己
*1ブランドで直接販売することにもつながる。このように流通パイプの多様化を図るなど営業政策を考える余地が出てくる。
 漁業においても同じことが言える。要は営業推進(販売)政策を自分が担うことにより、消費者ニーズにより敏感になり、それが生産段階に反映されるようになれば、競争力が強まるはずだ。
 被災地の農漁業がこのような形で復興・自立すれば、それは日本の農漁業の生き残りのモデルケースとなろう。

11.8.24.朝日新聞

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