散歩道<4554>
経済気象台(675)・ジャスミン革命後の夏
今夏、1年ぶりにチュニジアを訪れた。以前は国中にあふれていたベッバリ前大統領の写真が一掃され、街がすっきりした。革命の成果の一つである。
この時期、地中海沿岸のホテルは外国からのバカンス客であふれているが、今年は半減している。先月空港で山猫ストがあり、乗客が荷物をとれず大混乱した。この国によって観光は重要な産業であり、従事する人も多い。旅行客の減少は死活問題であり、軒並みホテルは値段を半分近くに下げているが、厳しい状態だ。
数日すると、店頭からミネラルウオーターが消えた。内戦状態が続く隣国リビアで水の生産工場などが被害を受け、品薄のため、国内に出回る水が不足した。店頭に並ぶやすぐに売り切れてしまう。南部の国境地帯を中心におびただしい数のリビア人が避難してきており、リビア番号の車をよく見かけた。
イスラム圏に民主国家を樹立したいアメリカはこの革命を好機ととらえ、様々な手を打っている。5月の仏ドービル・サミットにチュニジアのカイドセブシ首相らを招き、オバマ大統領は、高齢者の首相に対し「貴殿がいつまでもかくしゃくとしていられるのは聡明(そうめい)さゆえ」と持ち上げ「全面的に支援する」と約束した。秋には300人規模の使節団を送り込む予定である。近い将来チェニスに*1マクドナルド1号店が出現するのではないか。
しかし10月の制憲議会選挙でイスラム教の政党ナフダが第1党になると予想されており、来年の大統領選挙の行く方も未知数だ。
もしイスラム教と民主主義が両立すれば、人件費が安く、教育レベルの高いチュニジアは、海外投資の有望な対象国になりうるのではないか。
'11.8.18.朝日新聞
関連記事:散歩道<検>社説、<検>災害、<検>外国・旅行、<185>-1、*1面白い話・マクドナルド、<検>宗教、
![]()